中米の「グアテマラコーヒー」とは?その特徴とおすすめの飲み方

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中米を代表するグアテマラコー。かつて古代マヤ文明が栄えた場所で生まれるコーヒーは、上品な酸味と甘味、そして華やかな香りがあるとても美味しいコーヒー。

この記事ではグアテマラコーヒーとはどんなコーヒーか、その特徴やおすすめの飲み方を紹介しています。グアテマラコーヒーの産地や味などが気になっている方は是非参考に。

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グアテマラコーヒーとは

グアテマラ産コーヒー豆

グアテマラコーヒー(Guatemala Coffee)とは、中央アメリカ(中米)にあるグアテマラ共和国を産地とするアラビカコーヒーのことです。甘い香りと上品な酸味、力強いコクを特徴とする高級コーヒー。すぐ近くのアメリカに多く輸出されていますが、日本向けにもたくさんのグアテマラコーヒーが輸出されており日本でも昔から人気の銘柄。グアテマラを略したガテマラという名称でも親しまれています。

中米を代表するコーヒー大国「グアテマラ」

グアテマラ

グアテマラコーヒーの産地である「グアテマラ共和国」。グアテマラ・ベリーズ・エルサバドル・ホンジュラス・二かグア・コスタリカ・パナマの7カ国ある中央アメリカ(中米)の一つ。かつて2500年以上に渡り繁栄した‟マヤ文明”があった国として有名で、現在もティカル遺跡やキリグア遺跡を始め多数の古代遺跡が残っています。

グアテマラは北海道と四国を合わせたぐあいの小さな国ですが、中南米を代表するコーヒー大国の一つ。1750年にイエズス会修道士によりグアテマラに初めてコーヒーの苗木が持ち込まれ、「火山灰性ミネラルを豊富に含む肥沃な土壌・高地の恩恵を受けた昼夜の激しい寒暖差・適度な降雨量」とコーヒー栽培に適した環境のおかげでコーヒー栽培が盛んに。現在は、砂糖やバナナと同じく国を代表する産業の一つで、コーヒー生産量は世界第9位。中南米ではブラジル、コロンビア、ホンジュラス、ペルーに続く5番目。

グアテマラコーヒーの特徴

特徴①高地栽培

グアテマラで栽培されるコーヒー

グアテマラコーヒーは高地産コーヒー。国土のほとんどが山地であるため、グアテマラコーヒー農園の多くが非常に標高の高いところで生産を行っています。コーヒーを昼夜で寒暖差のある高地で栽培することで、実に味が凝縮し、香りや酸味、コクに優れた高品質なコーヒーが出来上がるのです。

特徴②日陰栽培

シェードツリー

グアテマラコーヒーの大部分は日陰栽培。日陰栽培とは、乾季に強い直射日光がコーヒーノキに直接当たらないように日陰となる背の高い木を周辺に植えてコーヒーを栽培すること。こうすることによって、実が早く熟してしまうのを防ぎ、時間をかけてゆっくりと熟した美味しいコーヒーが出来上がります。

また、シェードツリーを植えるとその分、コーヒーノキを植える面積が少なくなり、機械を導入しての収穫を出来なくなり生産性は落ちてしまいます。その一方、低い木だけではなく高い木も植えることでたくさんの鳥が生息するようになり、自然や多様な生物の保護につながるのです。グアテマラでは、自然を守りながらコーヒーを作るという考えがあるので、グアテマラコーヒーを選ぶことは自然を守ることにもつながります。

特徴③上質な酸味とコクを併せ持つ

ホットコーヒー

グアテマラコーヒーは、果実を思わせるようなほんのりと甘い香りがします。味わいは、上品でさわやかな酸味が特徴。嫌な酸味ではなく後味すっきりの爽やかな酸味なので、酸味の強めのコーヒーが苦手という人でも飲みやすいです。そしてまろやかで力強いコクも併せ持ちます。全体的にバランスのとれたコーヒーで、とても飲みやすい上品なコーヒーです。

グアテマラコーヒー全8産地の特徴

グアテマラのコーヒー農園

グアテマラコーヒーは、「グアテマラ全国コーヒー協会(通称ANACAFE)」によって8つの産地(アカテナンゴ・アティトラン・ウエウエナンゴ・オリエンテ・コバン・サンマルコス・フライネス)に分けられています。グアテマラコーヒーの味わいは基本的に共通するものがありますが、それぞれの産地によって微妙に違いもあります。

①アンティグア地区

グアテマラ・アンティグア地区

グアテマラコーヒーを代表する産地が、「アンティグア」。アンティグアは町全体が世界遺産に登録されている古都で、毎年多くの観光客が訪れるグアテマラの人気観光エリア。観光客でにぎわう旧市街地から少し外へ出たところにグアテマラを代表するたくさんのコーヒー農園があります。

アンティグアは標高1500mの高地にあります。周りをアグア火山・フエゴ火山・アカテナンゴ火山に囲まれており火山性のミネラルを豊富に含んだ肥沃な土壌で、美味しいコーヒーを栽培するのには恰好の場所。グアテマラに初めてコーヒー栽培がおこなわれたエリアで、コーヒー栽培の歴史が古く、昔から現在に至るまでアンティグア産は最高品質のグアテマラコーヒーと言われています。グアテマラらしい豊かな香りと上品な味わいが特徴。グアテマラコーヒーを飲むなら、まずはアンティグア産がオススメ。

②アカテナンゴ地区

アカテナンゴ火山を挟みアンティグアのすぐ真裏にあるのが「アカテナンゴ」。アンティグア同様に古くからコーヒー栽培を行っていた歴史ある産地ですが、以前はアンティグアブランドを借りるためにアンティグア産としてコーヒーを販売していました。現在はその品質の良さが認められたこともあり、アカテナンゴ産としてコーヒーを販売しています。アカテナンゴ産はフルーティーな酸味に余韻のある後味が特徴。

③アティトラン地区

グアテマラのアティトラン湖

世界一美しいと称されるアティトラン湖がある「アティトラン」。アティトランエリアは、複数の火山がアティトラン湖を囲むようになっており、その火山の斜面でコーヒー栽培がおこなわれています。火山灰による栄養豊富な土壌で育つコーヒーは、香りが良く柑橘系を思わせる明るい酸味が特徴。

④コバン地区

グアテマラ第三の都市と言われる「コバン」。コバンの標高1350~1700mのなだらかな丘陵地帯にコーヒー農園があります。ここのコーヒー栽培の歴史も古く、グアテマラを代表する伝統的なコーヒー産地の一つ。コバン産は甘味のある上質な酸味が特徴。

⑤フライハーネス地区

グアテマラの首都グアテマラシティに近い場所にあるのが「フライハーネス」。フライハーネス産コーヒーは、ミネラルを豊富に含む湧き水で育てられたアグアブランカが有名。ビターチョコレートを思わせるようなほんのりと甘い香りと爽やかな酸味のある味わいが特徴。

⑥ウエウエテナンゴ地区

グアテマラ北部、メキシコ国境に位置する「ウエウエテナンゴ」。とても標高の高いところにあるエリアで、ハイランドウエウエとも呼ばれる場所。グアテマラコーヒーの生産地としては標高が一番高く、昼夜の激しい寒暖差によって生まれる豊かな酸味のある味わいが特徴。

⑦ニューオリエンテ地区

1950年代からコーヒー栽培が始まったニューオリエンテ。ここでは小規模生産者によってコーヒー栽培がおこなわれています。強い香りとクリアな酸味が特徴。

⑧サンマルコス地区

グアテマラコーヒーの栽培地としては一番暖かい場所にあたる「サンマルコス」。豊かな香りとはっきりとした酸味が特徴。

グアテマラコーヒー最高峰「グアテマラSHB」

最高峰のコーヒー豆

グアテマラコーヒーで最高峰のコーヒーであるのが「グアテマラSHB」。SHB(ストリクトリ―ハードビーンズ)とは、グアテマラコーヒーの等級の一番上のグレードのこと。グアテマラコーヒーは、粒の大きさではなく産地の標高の高さで等級が決まります。つまり、標高が高い地域で栽培されたコーヒーほど高品質とされるのです。SHBは、標高1,350m以上で採れたコーヒー豆のみに与えられる最高級の証。せっかくグアテマラコーヒーを飲むなら「グアテマラSHB」を選んでおくのがオススメ。また、アンティグア産のSHB「グアテマラ アンティグア SHB」であれば尚良しです。

また、SHB以下の等級にはHB(標高1200~1350m)、SH(標高1050~1200m)、WPW(標高900~1200m)、PW(標高750~900m)、EGW(標高600~750m)、GW(標高~600m)があります。

グアテマラコーヒーのおすすめの飲み方

焙煎度合いはミディアムローストがオススメ

焙煎豆

グアテマラコーヒーを飲むなら、焙煎度合いはミディアムローストを選ぶのがオススメ。高品質な豆であればあるほどミディアムローストで飲んだ方が、豆本来の美味しさを味わうことが出来ます。グアテマラコーヒーの場合、グアテマラ特有の上品な酸味をしっかりと感じられるのがミディアムロースト。

もし、少し酸味を抑えたいならハイロースト、シティローストを選ぶと良いでしょう。ただし、シティロースト以上となるとグアテマラの良さである上質な酸味が薄れてしまうで、やはり初めはミディアムまたはハイローストあたりで飲みたいところ。

ストレートはもちろん砂糖やミルクを入れても美味しい

コーヒーを飲む人

グアテマラコーヒーの酸味は嫌味な酸味ではなく、爽やかな酸味。酸味の苦手な人でもストレートで美味しく飲むことが出来ます。初めてグアテマラコーヒーを飲むなら、やはりグアテマラそのものの味を楽しむために、砂糖とミルクは入れずにストレートで飲んでみるのがオススメ。

もちろん好みにより後で砂糖やミルクを入れて飲んでみてもOKです。グアテマラは酸味をしっかり感じられるだけではなく、甘味もあり、コクもあり、バランスのとれたコーヒーです。ストレートだけじゃなく砂糖やミルクを入れても美味しく飲むことが出来ます。もし、ミルクを入れて飲むなら、焙煎度合いは少し深めを選んだ方が良いでしょう。

お菓子には柑橘系ケーキがオススメ

オレンジケーキ

グアテマラコーヒーのお供には、オレンジといった柑橘系フルーツを使ったケーキやショートケーキなどがオススメ。グアテマラコーヒーのように爽やかな酸味を特徴に持つコーヒーには、甘酸っぱいフルーツを使ったケーキが良く合います。

中米のグアテマラコーヒーを飲んでみよう

コーヒーを淹れる

グアテマラコーヒーは中南米を代表するコーヒーの一つ。上品な酸味に、甘味があり、さらに適度なコクと苦味もあり、とてもバランスのとれたコーヒーで美味しく飲むことが出来ます。是非中米グアテマラのコーヒーを飲んでみましょう。

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