エスプレッソとは?普通のコーヒーとの違いや本場イタリア流の正しい飲み方

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エスプレッソを飲む人

普通のコーヒーよりもコーヒー豆の旨味が凝縮され濃厚な味わいとなる「エスプレッソ」。エスプレッソはイタリア定番のコーヒーで、日本でもカフェラテやカプチーノという形で多くの人がカフェや自宅で美味しいエスプレッソを飲んでいます。

この記事ではエスプレッソとはどんなコーヒーか、エスプレッソの特徴を紹介しつつ本場イタリア流の正しい飲み方を紹介しています。エスプレッソとはどんな飲み物か、どう飲んだら美味しく飲めるのか気になっている方は是非参考に。

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エスプレッソとは

エスプレッソコーヒー

エスプレッソ(Espresso)とは、エスプレッソマシンを使って高温高圧で短時間で一気に抽出した濃いコーヒーのことです。20世紀初頭にイタリア・ミラノで誕生し、エスプレッソ特有の濃厚な味わいが多くの人々に受け、ヨーロッパ各地へ、そしてアメリカへ、日本へと広がり、今では世界中の人々に愛される飲み物となっています。

ちなみにエスプレッソ(Espresso)という言葉には二つの意味があります。一つは、‟急行”という意味。エスプレッソは30~40秒程度の短時間で抽出し提供できるため。もう一つは、‟特別な”という意味。エスプレッソはオーダーを受けてからその人のために一杯のコーヒーを抽出するために「あなたのための特別な一杯」という意味が名前に込められているのです。

本場イタリアでは1日5杯ぐらいエスプレッソを飲む

イタリアの風景とエスプレッソ

エスプレッソの発祥はイタリア。イタリアでは、コーヒーと言えばエスプレッソ。多くの人が、1日に約5杯程度ものエスプレッソを飲むほどにイタリア人にとってエスプレッソは日々の生活の中では欠かせないもの。

イタリアでは一日の始まりの朝食にエネルギーを得るためにミルクたっぷりのカプチーノを飲みます。そして、11時前の休憩、ランチ後、仕事終わり、ディナー後には決まってエスプレッソを飲みます。イタリア人にとってエスプレッソを飲むことは仕事を頑張るための活力であり、仲間とのコミュニケーションツールであり、一日仕事を頑張った自分へのご褒美でもあり、毎日の生活の中で切っても切り離せないものなのです。

4月16日はエスプレッソの日

デミタスカップに入ったエスプレッソ

毎年4月16日はエスプレッソの日です。今から100年以上前の1906年4月開催のミラノ万国博覧会でイタリア人がはじめてエスプレッソを口にしたことを記念して4月16日がエスプレッソの日として制定されました。

エスプレッソと普通のコーヒーとの違い

①抽出方法

エスプレッソマシンで抽出されるエスプレッソ

イタリア定番のコーヒーであるエスプレッソは、日本定番のコーヒー(レギュラーコーヒー)とどこが違うのか。その大きな違いとなるのが、コーヒー液の抽出方法です。

日本の一般的なコーヒーの抽出方法が、ドリップ式であるのに対しエスプレッソはエスプレッソ式。ドリップ式コーヒーは、ドリッパーにコーヒー粉をセットして上からお湯を注いで抽出します。自然の浸透圧で抽出するため抽出時間は比較的長く3分程度かかります。一方、エスプレッソ式はマシンを使って高い圧力をかけて一気に抽出するため抽出時間は短く30~40秒程度で済みます。

電力による高い圧力で一気に抽出するため、エスプレッソは普通のコーヒーにはない濃厚な味わいとなるのです。また、コーヒー表面に旨味や味わい深い香りが詰まった綺麗なキャラメル色のクレマと呼ばれる泡が出来るのもエスプレッソ特有です。

②コーヒー豆の焙煎度

焙煎度の深いコーヒー豆

エスプレッソとドリップ式コーヒーの場合、使うコーヒー豆の種類にも違いがあります。一般的な日本のレギュラーコーヒーでは焙煎度の8段階中において浅い方から4段階目のハイローストと呼ばれる中煎りの豆を使いますが、エスプレッソの場合は5段階目のシティローストや6段階目のフルシティローストと呼ばれる中深煎り豆を使います。さらに、スターバックスやタリーズといったアメリカ・シアトル生まれのコーヒーではより焙煎度の深いイタリアンローストと呼ばれる深煎り豆を使います。

コーヒー豆の焙煎度により出来上がるコーヒーの風味は変わります。焙煎度の浅い豆ほど酸味は強めで苦味は抑えめでフルーティーでまろやかな味わいとなります。一方焙煎度の深い豆はコーヒー特有の苦味は強めで、コクのある濃厚な味わいとなります。

③1杯当たりの量

量の少ないエスプレッソ

初めてエスプレッソを飲む人はそのコーヒーカップ(デミタスカップ・エスプレッソカップ)の小ささやエスプレッソの量の少なさにびっくりする人が多いですが、普通のコーヒーよりも量は少なく注ぐカップも小さいものを使っています。一般的なコーヒーカップのコーヒーは一杯150ml程度ですが、エスプレッソは30ml程度です。

エスプレッソの一杯の量が普通のコーヒーより極端に少ないのは、味が濃いためです。エスプレッソでも時間をかければ通常のコーヒー同様の量を抽出することは出来ますが、それだとコーヒー豆のえぐ味や雑味が強くなりエスプレッソの良さが損なわれてしまいます。そのため美味しいエスプレッソを飲むためにも、30mlという少ない量が丁度良いのです。

また、エスプレッソ・ダブル(エスプレッソ・ドッピオ)は、通常のエスプレッソ豆とお湯を2倍で淹れたもので、もっとたくさん飲みたいという人はダブル(ドッピオ)をオーダーすると良いです。ただし、本場イタリアでは一杯30ml程度の少量をささっと飲むのが普通なので、イタリアではダブル(ドッピオ)といったものはありません。

④味

エスプレッソを飲む女性

エスプレッソの味はとても濃厚です。初めてエスプレッソを飲む人は、普通のレギュラーコーヒーとは違うその濃さにびっくりする人も多く、「エスプレッソ=苦い飲み物」と捉えてしまう人も多い。たしかに濃いコーヒーであることに間違いはありませんが、美味しいエスプレッソは苦味がただ単に強調されたものではなく、コーヒー豆本来の旨味が凝縮され甘味やコクもある味わい深い飲み物なのです。

⑤カフェイン量

カップに注がれる濃厚な珈琲

エスプレッソは濃いコーヒーであるため、普通のコーヒーよりもカフェイン量は多いと勘違いしてしまいがちです。確かに100mlあたりのカフェイン量はドリップコーヒーの160mgに対しエスプレッソが213mgと多いのですが、一杯当たりのカフェイン量はドリップコーヒー(150ml)が240mgに対しエスプレッソ(30ml)が64mgと少ないのです。

一杯当たりのカフェイン量が少ないため、イタリアでは1日に何杯もエスプレッソを飲んでも平気というわけです。

エスプレッソの見た目や風味の特徴

エスプレッソの見た目

エスプレッソは見た目が美しい特徴があります。エスプレッソは黒いドリップコーヒーとは違って綺麗なキャラメル色(ゴールドブラウン色)をしています。これは、エスプレッソ抽出時に高温高圧によって乳化して出来るエスプレッソ最上層のクレマと呼ばれるきめ細かい泡のため。このクレマにはコーヒーの旨味がたっぷりと詰まっており、深い味わいの香りを演出し、エスプレッソ特有のコクにも強い影響を与えています。

エスプレッソは飲んでみると分かりますが、とても濃厚。コーヒー豆の旨味が凝縮されているので普通のコーヒーでは味わえない深い味わいを堪能することが出来ます。エスプレッソ一杯当たりの量は少ないですが、濃厚なコーヒー液が舌にまとわりつくので飲んだ後もエスプレッソの余韻を長く楽しむことが出来ます。

本場イタリア流のエスプレッソの正しい飲み方

エスプレッソを飲むイタリア人

  1. エスプレッソの見た目や香りを楽しむ
  2. スプーン1杯の砂糖を入れる
  3. 軽くかき混ぜる
  4. 冷めない内に3~4口でサッと飲み干す
  5. 飲んだ後すぐに水を飲まずアフターテイストを楽しむ

エスプレッソの飲み方は本場イタリアの人々の飲み方を参考にするのがオススメ。エスプレッソの正しい飲み方のコツは、砂糖をしっかりと入れて、3~4口でササッと飲むこと。日本でも食後にエスプレッソが提供されるお店が増えていますが、エスプレッソを提供されたら、カフェラテやカプチーノを飲む時と同じような感覚でゆったりと時間をかけて飲むのではなく、冷めぬうちにササッと飲み終えるようにしましょう。

まずはエスプレッソを提供されたら美しいキャラメル色の見た目とエスプレッソ特有の濃厚な味わいの香りをほどほどに楽しみつつ、すぐにスプーン1杯程度の砂糖を投入します。そしてエスプレッソ上層部のクレマと呼ばれるきめ細かい泡を消してしまわないように軽く砂糖をかきまぜて、冷めないうちに3~4口程度でササッと飲み干します。飲み終わった後はすぐに水を飲むのではなく、口の中に残るエスプレッソの深い味わいをアフターテイストとして楽しみます。

エスプレッソは砂糖を入れて初めて完成する

コーヒーに砂糖を入れる

エスプレッソは本来砂糖を入れて飲む飲み物です。日本では、ドリップコーヒーを砂糖やミルクを入れずブラックで飲む飲み方が一般的なため、エスプレッソも同様にそのまま飲む人もいますが、イタリアやアメリカを始め世界ではそのまま飲む人は少なくほとんどの人が砂糖を入れて飲みます。そもそもエスプレッソは砂糖を入れる前提で作られているので、砂糖を入れて初めてエスプレッソ本来の味わいとなるのです。

エスプレッソは砂糖を入れることで農耕なビターチョコレートのような味わいへと変わります。本来このチョコレートテイストのような味わいことがエスプレッソの真骨頂なのです。エスプレッソを飲む場合は是非イタリア人やフランス人、アメリカ人のように砂糖を入れて飲んでみましょう。

エスプレッソの楽しみ方は色々!エスプレッソベースのカフェメニュー

カフェラテ

カフェラテ

日本のカフェメニューで一番人気の高いメニュー「カフェ・ラテ(cafe latte)」。このカフェラテはエスプレッソベースのアレンジコーヒーです。エスプレッソは日本では飲む人はまだまだ少ないですが、エスプレッソベースとなるアレンジコーヒーはカフェ・ラテのように多くの人が愛飲しています。このカフェ・ラテは、エスプレッソに温めたスチームミルクを入れることで完成します。

シアトル系コーヒーでは、泡立てられたフォームミルクを乗せることが多く、お洒落なカフェではラテアートを描いてくれます。

カプチーノ

カプチーノ

エスプレッソベースで特に日本でも人気の高いカフェメニューと言えば、カフェラテ以外にカプチーノ(cappuccino)があります。カプチーノは、エスプレッソにスチームミルクとフォームミルクを入れた飲み物。泡が多いのが特徴で、ふわっとした口当たりの良さに魅了される人は多いです。

カプチーノはイタリアでも人気の飲み物で、イタリアでは朝食の飲み物としてよく飲まれています。

アメリカーノ

アメリカーノ

エスプレッソをお湯で薄めたのが「アメリカーノ(amerikano)」。濃いエスプレッソをお湯で割ることでドリップコーヒーと同じくらいの濃さにした飲み物です。

カフェモカ

カフェモカ

エスプレッソにミルクとチョコレートシロップを加えたのが「カフェ・モカ(cafe mocha)」。エスプレッソの苦味とミルク、チョコレートシロップの甘みを感じられる一杯です。

カフェマキアート

カフェマキアート

小さいデミタスカップにエスプレッソを注ぎ、その上に少量のミルクを加えたのが「カフェ・マキアート(cafe macchiato)」。カプチーノと似ていますがカップは通常のエスプレッソと同じ小さいカップで、注ぐミルクも少な目。ビターな味わいのミニカプチーノと言えます。イタリアでは朝食以外にミルクたっぷりのカプチーノを飲むことはないので、エスプレッソにミルクを足したい場合はカフェマキアートを飲みます。

アフォガート

アフォガート

エスプレッソベースの大人のスイーツ「アフォガート(affogato)」。アフォガートは、冷たいアイスクリームの上に熱いエスプレッソ一杯分を注いだデザートです。エスプレッソのほろ苦さとアイスクリームの甘さが絶妙にマッチする至福のスイーツ。

エスプレッソは自宅でも作られる!家でエスプレッソを入れる方法は2通り

①エスプレッソマシン(電動式)

エスプレッソマシン

エスプレッソはカフェへ行かなくても自宅でも作ることが出来ます。手っ取り早くお店並みの美味しいエスプレッソを淹れられるのが家庭用エスプレッソマシンです。全自動マシンを選べばコーヒー豆と水をセットするだけでコーヒー豆を挽くところからエスプレッソ抽出まで全ての工程をマシンがやってくれるので素人でも美味しいエスプレッソを家で飲むことが出来ます。また、コーヒー豆を自分で挽くタイプのセミオートマシンであればもう少し安くエスプレッソマシンを手に入れることが出来ます。

②エスプレッソメーカー(直火式)

マキネッタ

本場イタリアの家庭では電動式ではなく直火式エスプレッソメーカーを使ってエスプレッソを淹れるのが定番です。マキネッタ(モカポッド)と呼ばれるエスプレッソメーカーは、コーヒー豆と水をセットし火にかけることで蒸気圧を利用してエスプレッソを抽出できる器具です。電気で動くエスプレッソマシンほどの高い圧力はかけられないのでエスプレッソ表層部のクレマは上手く作れませんが、家で手軽にコクのあるエスプレッソを淹れることが出来ます。エスプレッソマシンよりも安く買えて取扱いも簡単です。

カフェや自宅でエスプレッソを楽しもう

テーブル上のコーヒーカップ

エスプレッソは深い味わいのコーヒー。コーヒー豆の旨味が凝縮されたエスプレッソの味にきっと魅了されるはず。カフェではエスプレッソだけではなくミルクやシロップなどを加えたアレンジメニューも楽しむことが出来ます。また、自宅でもエスプレッソマシンやエスプレッソメーカーを買うことで手軽にコクのあるコーヒーを淹れることが出来ます。是非カフェや自宅でエスプレッソを楽しみましょう。

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