カフェの人気メニュー「カフェオレ」「カフェラテ」「カプチーノ」。どれもコーヒーにミルクを注いだ飲み物で、見た目も味わいも似ているため、どんな違いがあるのか気になるところ。実はこの三つのアレンジコーヒーにはしっかりとした違いがあります。それは、ベースとなるコーヒーの種類とミルクの量、そしてラテアートの有無の3つの違いです。
この記事では、カフェオレとカフェラテ、カプチーノそれぞれの違いを紹介しています。三つのカフェメニューの違いが気になっている方は是非参考に。
カフェオレとは
カフェオレ(cafe au lait)とは、コーヒーにミルクを混ぜたフランス発祥の飲み物です。苦味のあるレギュラーコーヒー(ドリップコーヒー)にミルクをたっぷりと注ぐため、ミルクの甘みでコーヒー特有の苦味が中和されてマイルドな味わいが特徴です。
本場フランスではカフェオレは朝食の定番。大きめの器(カフェオレボウル)にクロワッサンなどのパンを浸しながら食べるのがフランス流です。また、フランスではカフェオレはコーヒーにミルクを入れた飲み物全般を指すのでフランスの街中のカフェでメニューにカフェオレがあることは少なく、「カフェクレム(cafe creme)」という飲み物が日本のカフェ・オレに一番近い飲み物となっています。
カフェオレは日本では1923年4月20日に守山乳業が発売した「珈琲牛乳」を皮切りにコーヒー牛乳として親しまれてきた飲み物です。
カフェラテとは
カフェラテ(cafe latte)とは、エスプレッソにミルクを混ぜたイタリア発祥の飲み物です。ほろ苦いエスプレッソにミルクが加わることで苦味の中にもミルクの甘みを感じることが出来、マイルドで飲みやすいコーヒーとなっています。
カフェオレはスターバックスコーヒーやタリーズを代表するようなアメリカのワシントン州シアトルで生まれたシアトル系コーヒーチェーン店の台頭によりカフェの一大人気メニューとなっています。特に男性に比べてブラックコーヒーを飲むことが少ない女性から圧倒的な支持を集めています。
ちなみにカフェオレの発祥は、イタリアの水の都ヴェネチアにある世界最古のカフェ「カフェ・フローリアン(cafe flolian)」と言われています。コーヒー好きなら一度は行ってみたいお店です。
カプチーノとは
カプチーノ(cappuccino)とは、エスプレッソに泡立てたミルクを注いだイタリア発祥の飲み物です。濃くて苦味のあるエスプレッソに温かいミルク(スチームミルク)と泡立てたミルク(フォームミルク)を注いでいるのでミルクの甘みとともに泡立ったミルクのやわらかい口当たりが特徴。
本場イタリアでは、カプチーノは朝の飲み物。クロワッサンなどのパンとカプチーノをたしなむのがイタリア流の朝食。そして、お昼や夕方、夜はカプチーノのようなミルクの入った飲み物ではなくエスプレッソを飲むのがイタリア人の習慣となっています。
カフェオレ・カフェラテ・カプチーノの違い①
メニュー | ベース |
カフェオレ | ドリップコーヒー |
カフェラテ | エスプレッソコーヒー |
カプチーノ | エスプレッソコーヒー |
カフェオレ・カフェラテ・カプチーノの大きな違いの一つ目は、ベースとなるコーヒーの種類です。コーヒーは、日本で定番のドリップコーヒーとイタリアやフランス、アメリカ・シアトルで定番のエスプレッソコーヒーの2種類。ミルクを注ぐ前のベースとなるコーヒーに違いがあるため、味わいに違いがでてきます。
カフェオレ→ドリップコーヒー
カフェオレのベースとなるのがドリップコーヒー。ドリップコーヒーとは、コーヒー豆の粉にお湯をかけてお湯の重みでコーヒー豆の成分を抽出するコーヒーのこと。ゆったりと時間をかけて成分抽出するので、コーヒー豆本来の味わいを堪能できるのが特徴です。
ドリップコーヒーはミルクや砂糖を入れずに飲むことも出来ますが、ミルクや砂糖を入れてカフェオレにすることで甘くて飲みやすい味わいとなります。
カフェラテ・カプチーノ→エスプレッソコーヒー
カフェラテ・カプチーノのベースとなるのがエスプレッソコーヒー。エスプレッソコーヒーとは、エスプレッソマシンという専用の機械を使ってコーヒー豆の粉に高圧力をかけ一気に成分を抽出するコーヒーのこと。高圧力をかけて短時間で成分抽出するためコーヒー豆の旨味が凝縮され、濃い味わいとなるのが特徴です。
エスプレッソはイタリア発祥のコーヒーですが、そのままでは苦くて飲めないのでミルクを砂糖を入れて飲むのが一般的です。また、より飲みやすく美味しくするためにスチームミルク(温めたミルク)やフォームミルク(泡立ったミルク)を入れて飲むカフェラテやカプチーノといったアレンジコーヒーが誕生しました。
カフェオレ・カフェラテ・カプチーノの違い②
メニュー | ミルク割合 |
カフェオレ | コーヒー50%・ミルク50% |
カフェラテ | エスプレッソ20%・ミルク80% |
カプチーノ | エスプレッソ30%・ミルク70% |
カフェオレとカフェラテ、カプチーノはベースとなるコーヒーにミルクを注ぐというのは全て同じ。コーヒーにミルクを混ぜた飲み物という点では全くの同じものですが、ベースとなるコーヒーの種類の違いとともに注ぐミルクの量にも違いがあります。
カフェオレの場合は、ドリップコーヒーとミルクを半々の割合で注ぎます。一方、通常のドリップコーヒーよりも濃くて苦味のあるエスプレッソコーヒーをベースとするカフェラテとカプチーノの場合はより多くミルクを注ぐようになっています。カフェラテはエスプレッソ2に対しミルク8、カプチーノはエスプレッソ3に対しミルク7の割合で注ぎます。
当然ミルクの割合が多いほど甘みは増すので、カプチーノよりもカフェラテの方がマイルドで甘みは強いです。一方、カフェオレはベースとなるのがエスプレッソよりも薄いドリップコーヒーなので、ミルクの割合自体は少ないですが、3つの飲み物の中で一番ミルク感は強く甘い飲み物になっています。
カフェラテとカプチーノはミルクの種類にも違いあり
カフェラテとカプチーノはどちらもエスプレッソにミルクを注ぐ飲み物。カフェラテとカプチーノの違いは、注ぐミルクの割合に違いがあるのに加え、注ぐミルクの種類にも違いがあります。
カフェラテでエスプレッソに注ぐのは、スチームミルク。エスプレッソマシンに付いているスチームノズルを使って蒸気で温めたミルクを使います。一方、カプチーノで注ぐのはスチームミルクとフォームミルク。スチームノズルを使って蒸気でミルクを温める際に出来るフォームミルク(泡立ったミルク)も注ぐため、エスプレッソの上にふわふわで泡立ったミルクが乗っているのが特徴です。
ただし、カフェによってはカフェラテにもフォームミルクを注ぐ場合もあります。そういったお店ではカフェラテは泡は少な目、カプチーノは泡多めといった違いがあります。
カフェオレ・カフェラテ・カプチーノの違い③
メニュー | ラテアート |
カフェオレ | 無し |
カフェラテ | 有り |
カプチーノ | 有り |
カフェオレ・カフェラテ・カプチーノの見た目の大きな違いとなるのがラテアートの有無。
お洒落なカフェではカフェラテやカプチーノを注文するとハートやリーフなどのラテアートを描いてくれます。ラテアートを描くためには、きめ細かい艶のあるミルクフォームが必要となるため、温めただけのミルクを注ぐカフェオレでは描くことは出来ません。
カフェオレは一番甘味が強く、マイルドな味わい
カフェオレ・カフェラテ・カプチーノの中で一番甘味があり、マイルドで飲みやすいのがカフェオレです。カフェオレはベースとなるコーヒーに濃くて苦味のあるエスプレッソを使っているカフェラテやカプチーノと違ってレギュラーコーヒーを使っていて、たっぷりとミルクを注いでいるのでコーヒーが苦手な人でも飲みやすくごくごくと飲むことが出来ます。
コーヒー特有の苦味が苦手という人は、カフェメニューの中でカフェオレを注文するのがオススメです。
カフェラテはマイルドでありながらもコーヒー特有の苦味も楽しめる
カフェオレ・カフェラテ・カプチーノの中で、一番人気があるカフェメニューと言えばカフェラテ。ほろ苦いエスプレッソにたっぷりと温かいミルクを注ぐことでマイルドで飲みやすい飲み物になっています。マイルドではあるものの、カフェオレほどの甘さはなくコーヒーの苦味やコクもしっかりと堪能できるため、とてもバランスのとれたカフェメニューと言えます。
カフェメニューの人気メニューなので、とりあえずメニュー選びに迷ったらカフェラテを注文するのがオススメ。
カプチーノは一番ビターで大人な味わい
カフェオレ・カフェラテ・カプチーノの中で一番コーヒーの苦みを感じられるのがカプチーノ。カプチーノはエスプレッソの上にミルク、そしてその上にクリーミーな泡がたっぷりと乗っていて口当たりが優しいのですが、味わいは意外とビターです。泡立ったミルクの割合が多いので、ミルクの主張はそれほど強くなくエスプレッソの深い味わいをしっかりと堪能出来ます。
今日は普段飲むカフェラテよりも大人なビターな味わいを楽しみたいという場合にカプチーノがオススメ。