ウイスキーとコーヒーを組み合わせたアイルランド伝統のホットカクテル「アイリッシュコーヒー」。ほんのりと甘く、ポカポカと温まるドリンクで冬の疲れた一日の終わりにぴったり。
この記事ではアイリッシュコーヒーとはどんなコーヒーかその特徴とおすすめの作り方、飲み方を紹介しています。アイリッシュコーヒーを自宅で作る時にオススメのアイリッシュウイスキーの銘柄も紹介しているので是非参考に。
アイリッシュコーヒーとは
アイリッシュコーヒー(Irish Coffee)とは、北欧アイルランド生まれのホットカクテルです。アイリッシュウイスキーをベースに、ホットコーヒーとブランシュガー、生クリームを加えたカクテルで、寒い季節に飲むホドリンクとしてアイルランドを始め世界中で人気があります。バーはもちろん、本格的なコーヒーショップでもアルコール入りの人気メニューとして提供されています。
アイリッシュコーヒーの特徴
ウイスキーとコーヒーの組み合わせ
アイルランド伝統のアイリッシュコーヒー最大の特徴は、ウイスキーとコーヒーを組み合わせたカクテルであること。ウイスキーは色々な飲み物と相性が良く、ウイスキーをベースとするカクテルは世界中に無数のレシピがあります。そんな万能なウイスキーは実はコーヒーとも相性抜群。芳醇な香りと甘みを持つウイスキーはほんのりと苦味のあるコーヒーとベストマッチするのです。
アイリッシュウイスキーがベース
アイリッシュウイスキーのベースとなるウイスキーは、アイルランド特産のアイリッシュウイスキーです。スコッチウイスキー、バーボンウイスキー、カナディアンウイスキー、ジャパニーズウイスキーと並ぶ世界5大ウイスキーの一つであり、ウイスキー発症の地と言われるアイルランドで製造されたアイリッシュウイスキーがアイリッシュコーヒーのベースとなっています。
アイリッシュウイスキーはすっきりとした味わいで飲みやすいのが特徴です。アイリッシュコーヒーは使うコーヒー豆によって味が変わってきますが、ライトな味わいであるアイリッシュコーヒーだからこそコーヒー豆の味を引き出したウイスキーコーヒーとなるのです。
また他のウイスキーをベースとするとそれはアイリッシュコーヒーではなくなります。例えばスコットランド産のスコッチウイスキーをベースとするとゲーリックコーヒー、アメリカ産のバーボンウイスキーをベースとするとケンタッキーコーヒーとなります。
ほんのり甘くクリーミーな味わい
アイリッシュコーヒーは生クリームが乗っているのも大きな特徴です。生クリームのおかげで口当たりは滑らか。アイリッシュコーヒーはほろ苦い深煎りのコーヒーを使いますが、上の生クリームのおかげでほんのりと甘くクリーミーな味わいに仕上がっています。そして、飲み進めるにつれて生クリーム、その下にある穀物の豊かな香りのアイリッシュウイスキー、ほろ苦いコーヒー、そしてコクのある甘味のブランシュガーと様々な風味、味わいを楽しむことが出来ます。
アイリッシュコーヒーの誕生秘話
アイリッシュコーヒーが誕生したのは、1940年代のアイルランド。アイルランド西海岸にあるシャノン空港内のアイリッシュパプのオーナーであるジョー・シェリダンが考案しました。
当時は飛行機の時代ではなく飛行艇の時代。ヨーロッパからアメリカへと飛び立つ飛行艇は、ノンストップでアメリカまで飛行することは出来ず大西洋横断飛行の中でアイルランドのフォインズ水上飛行場(シャノン空港の前身)を給油地としていました。乗客は一旦飛行艇を降りてボートに乗って待合室へと移動するのですが、その移動中はとても寒く多くの乗客が震えながら待合室へと移動していました。そこで待合室にあるアイリッシュパプのオーナーであるジョー・シェリダンは、アイルランド流の温かい飲み物で乗客をもてなそうと、アイルランドで有名なアイリッシュウイスキーと酪農大国ならではの新鮮なミルク、そして暖かいホットコーヒーを使ったアイリッシュコーヒーを開発し乗客に提供したのです。
アメリカ・サンフランシスコから人気爆発
アイリッシュコーヒーは北欧アイルランドで誕生し、現シャノン空港を経由する旅行者や出張者の間で瞬く間に評判となったカクテルです。しかし、その人気を世界中に広めたのはアイルランドからの移民が多いアメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコにある「Buena Vista Cafe(ブエナ・ビスタ・カフェ」。アイリッシュコーヒーの考案者であるジョー・シェリダンがカフェオーナーにレシピを伝え、サンフランシスコからアメリカ全土へ、そして世界中へと瞬く間にアイリッシュコーヒーが広がっていきました。
アイリッシュコーヒーにオススメのウイスキー
アイリッシュウイスキーは、ベースとなるウイスキーが重要です。当然アイルランド産のウイスキーではなく、スコットランド産のスコッチやアメリカ産のバーボンを使ってしまうとそれはアイリッシュコーヒーではなくなってしまうので必ずアイリッシュウイスキーを使う必要があります。アイリッシュウイスキーは、クセのない味わいでカクテルベースとして使いやすいウイスキーなので、コーヒーとの組み合わせであるアイリッシュウイスキーには最適。
定番中の定番「ジェムソン」
アイリッシュウイスキーに一番のオススメは、ジェムソン(JAMESON)。ジェムソンは今世界で一番売れているアイリッシュウイスキーであり、アイリッシュウイスキーの代名詞となっています。当然たくさんのバーやコーヒーショップで提供されているアイリッシュコーヒーではジェムソンのウイスキーがベースとして使われています。
ジェムソンはアイリッシュウイスキーらしいスムースでクセが無いのが特徴。アイルランド伝統の3回蒸留によってジェムソン特有のなめらかで口当たりの良さを実現させています。大きな癖がなくマイルドな味わいなのでアイリッシュコーヒーだけではなく様々なウイスキーベースのカクテルに使われています。
元祖アイリッシュコーヒー「タラモアデュー」
アイリッシュコーヒーにもう一つオススメなのが、タラモアデュー(TULAMORE DEW)。タラモアデューはジェムソンに次いで2番目に世界で売れているアイリッシュウイスキーです。実は、アイルランド発祥のアイリッシュコーヒーで最初に使われたウイスキーはこのタラモアデューのウイスキーです。当時のままの味を味わってみたいならタラモアデューがオススメ。
アイリッシュコーヒーの作り方
用意するもの
- 深煎りホットコーヒー 120ml
- アイリッシュウイスキー 30ml
- ブラウンシュガー 15g
- 生クリーム 20cc
アイリッシュコーヒーを作るためには、生クリームの甘さやコクに負けない深煎りの濃いコーヒーが必要です。エスプレッソではなくドリップコーヒーを使うのが一般的です。また、シュガーは普通の砂糖ではなくコクのあるブランシュガー。
作り方
- グラスにブラウンシュガーを入れる
- グラスにホットコーヒーを注ぎよくかき混ぜる
- グラスにアイリッシュウイスキーを注ぎ再びかき混ぜる
- 生クリームをスプーンの背を使って表面に浮かべて完成
スタンダードなアイリッシュコーヒーのレシピはとてもシンプルです。グラスに先にブランシュガーを入れ、そこにホットコーヒーを注ぎ砂糖が溶けるまでよくかき混ぜます。そこにアイリッシュウイスキーを注ぎ再びかきまぜ、最後に表面に生クリームを浮かべて完成。
アイリッシュコーヒーの飲み方
アイリッシュコーヒーの飲み方は、かき混ぜることなくそのまま飲むのがオススメです。好みによってはかき混ぜるのもありですが、かき混ぜてしまうとせっかくのアイリッシュコーヒーの良さがかなりなくなってしまいます。アイリッシュコーヒーは上に冷たく甘い生クリーム、その下に温かく大人な味のウイスキーコーヒーがあるからこそ楽しい味わいとなるのです。
まずは生クリームに口をつけ滑らかな口当たりとクリーミーな味わいを楽しみます。次に冷たい生クリームの間から流れてくる温かいウイスキーコーヒーの香りと風味を楽しみます。飲み進めると、次第にそれらが混ざり合いまた変わった味を楽しむことが出来ます。
夏はアイスアイリッシュコーヒーもオススメ
アイリッシュコーヒーは、本来は寒い時期に飲む温かいホットカクテルです。しかし、大人の飲み物であるウイスキーとコーヒーの組み合わせで生まれる最高の美味しさに魅了され、夏場の暑い時期にも飲みたいという人が多く、アイスアイリッシュコーヒーも人気があります。アイスでの作り方はホットコーヒーではなくアイスコーヒーを使うだけ。ホット同様にアイスも簡単に自宅で作ることが出来るため、夏場はアイスでアイリッシュコーヒーを飲んでみましょう。
コーヒーもお酒も飲みたい時に、アイルランドコーヒーがぴったり!
アイリッシュコーヒーは、食後にコーヒーを飲みたいけどお酒も飲みたいという人にぴったりのドリンクです。特に冬場はとても体が温まるので、是非アイリッシュコーヒーを飲んでみましょう。