珈琲豆を使わない代用コーヒーの定番5選

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代用コーヒー

お馴染みの珈琲豆を使わないで作る代用コーヒー。コーヒーが貴重だった時代に誕生し、現在も人気があるコーヒー風の飲料。この記事では、代用コーヒーとは何か、いつなぜどのように誕生したのか、代表的な代用コーヒーにはどんなものがあるのか、代用コーヒーの気になるところをまとめて紹介しています。是非参考に。

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代用コーヒーとは

珈琲豆以外で淹れた代用コーヒー

代用コーヒーとは、コーヒー豆以外の原料を使って抽出したコーヒー風の飲み物です。

本来のコーヒーは、東アフリカ・エチオピア高原を原産とするアカネ科コーヒーノキ属に属する植物‟コーヒーノキ”に実る果実であるコーヒーチェリーの種子を原料とします。その種子がコーヒー生豆と言われるもので、生豆を高温で焙煎して化学反応によって珈琲特有の風味を出し、その後粉状に粉砕してドリッパーなどを使いお湯をかけてコーヒー液を抽出します。

代用コーヒーではコーヒーチェリーの種子ではなく、大麦やアスパラガスなどの種子、ドングリやアーモンド、クルミなどの果実、チコリやたんぽぽなどの根を原料に、それらを炒って、粉状にし、お湯をかけてコーヒー風の液を抽出して作ります。コーヒーを作る時同様に、焙煎して粉砕し、お湯で抽出することで、コーヒー豆以外の原料でもある程度コーヒーっぽい飲み物を作ることが出来るのです。

代用コーヒーは戦時中に誕生

コーヒー豆

なぜ、わざわざコーヒー豆を使うのではなく他の原料を使って作るコーヒー風の飲み物である代用コーヒーが誕生したのか。その理由は、どの国においても戦時中や戦争直後は輸入制限や経済の混乱等によって市場にコーヒー豆が不足していたり、コーヒー豆が大変高価となっていたために、庶民はなかなか本物のコーヒー豆を手にすることは出来なかったためです。

なかなかコーヒー豆を使った本物のコーヒーが飲めない中、苦肉の策として市場にたくさん出回っており安く手に入るものを珈琲豆の変わりに使ってコーヒーのような飲み物をつくろうとして、たくさんの代用コーヒーが誕生しました。もちろん、それは日本も同じで、日本では第二次世界大戦中に色々な代用コーヒーが飲まれていました。

ドイツで多くの代用コーヒーが誕生

ドイツの街並み

特にたくさんの代用コーヒーが誕生したのが、ドイツです。

ドイツでは18世紀半ばには一般の市民にも広くコーヒーが浸透していました。しかし、他のヨーロッパ諸国が海外進出によって自前でコーヒーを国内に供給することが出来た一方、ドイツは当時統一された一つの国家ではなかったこともあり海外進出とは無縁でコーヒーは他国からの輸入に頼っている状態でした。国内でのコーヒーの需要が大きくなると、貿易赤字によって通貨が国外へと流出することを懸念したフリードリヒ2世は、コーヒーに高い関税を設け、さらには国内でのコーヒーの飲用や焙煎に厳しい規制を設定。そこで、一般の市民はコーヒー豆に変る原料を模索。その後ナポレオン戦争による大陸封鎖で輸入が完全に途絶えてしまったことで、ますますドイツでは代用コーヒー産業が発展し、多くの代用コーヒーが誕生することとなったのです。

当時、インゲン豆、エンドウ豆、大麦、アスパラガスの種子、ドングリ、クリ、アーモンド、クルミ、ニンジンの根、テンサイの根、チコリの根など本当にたくさんのものがコーヒー豆の代替えとなるかどうか試されたようです。もちろん、すべての代用コーヒーが美味しかったわけではなく、まずくてとても飲めないものもたくさんあったとのこと。

代用コーヒーは今現在も人気

代用コーヒーを手に持つ人

代用コーヒーはドイツを始め、たくさんの国で戦時中に誕生した飲み物です。戦争が終わり経済が回復し、市場に多くのコーヒー豆が出回るようになり、さらに価格も下がっていったことで、次第に代用コーヒーはあまり飲まれなくなっていきました。しかし、ここ最近になって代用コーヒーが再び注目を集め人気を博しているのです。

その理由は、カフェインレスであること。コーヒー豆を原材料に使っていないため、ノンカフェインで、赤ちゃんの健康のためにカフェインはたくさん摂れない妊娠中や授乳中の人でも、大人に比べカフェイン感受性の高い子供でも、就寝前の夜でも、カフェインによる胃の不快感が出やすい人でも、安心して飲むことが出来るのが代用コーヒー人気の秘密。

現在は本当に美味しく飲める、代用コーヒーがたくさん販売されているので、カフェイン抜きでコーヒーを飲みたいという人でも代用コーヒーで十分満足することが出来ます。

代表的な代用コーヒー5選

①たんぽぽコーヒー

たんぽぽコーヒー

代表的な代用コーヒーの一つであり、ノンカフェインコーヒーとして妊娠中や授乳中の女性に人気があるのが「たんぽぽコーヒー」。文字通り、タンポポを原料としたコーヒーです。具体的にはタンポポの根を使います。タンポポの根の部分にはビタミンやミネラル、そして腸に良い影響を与える善玉菌であるプロバイオティクスといった有用な成分がたくさん含まれています。

また、たんぽぽコーヒーはコーヒー豆に含まれるコーヒーポリフェノールと呼ばれるクロロゲン酸化合物も含まれているために本物のコーヒーの味にかなり近いです。ほのかに苦味もあり、カフェイン抜きでありながら本物のコーヒーの味とそっくりな味を楽しむことが出来ます。

美味しいたんぽぽコーヒーを飲むなら、ポーランド産のたんぽぽを使用したものがオススメ。ポーランドはたんぽぽコーヒーの発祥と言われ、恵まれた環境下で高品質のたんぽぽを栽培。現在ヨーロッパで飲まれているたんぽぽコーヒーの大部分がポーランド産です。

②チコリコーヒー

チコリコーヒー

人気の代用コーヒーの一つである、「チコリコーヒー」。チコリとは、日本ではあまり馴染みがないもののヨーロッパでは様々な料理に使われる定番の野菜。チコリは青い花を咲かせることでも有名で、そのチコリの根の部分を原料に使って抽出したのがチコリコーヒー。

チコリの根にはポリフェノールであるチコリ酸、水溶性食物繊維であるイヌリンといった栄養素を含まれるため、便秘解消や血糖値上昇の抑制に効果が期待できると言われています。また、その効果は確かで、昔は根を煮出した汁を薬として使われていた歴史もあります。

チコリコーヒーはほどよい苦味とほのかな甘みがあるのが特徴。深煎りのブラックコーヒーのような味わいでミルクとの相性も抜群。カフェオレにするとかなり美味しく飲むことが出来ます。実際、その発祥地の一つと言われるアメリカ・ニューオリンズの名店カフェデュモンドではチコリを使ったカフェオレが今なお提供されていて、その美味しさは世界中で評判となり連日多くの観光客がそのカフェオレ目当てでお店に立ち寄っています。

③大麦コーヒー

大麦コーヒー

イタリアで昔から現在に至るまで多くの人々に愛されているのが「大麦コーヒー(別名オルゾ)」。大麦コーヒーは、20世紀前半の戦時中にコーヒーの輸入量が少なくなったために、コーヒーの代替えとして誕生した飲み物です。戦争終了後にコーヒー豆の輸入量が増え、一時大麦コーヒーの需要は減ったものの、カフェインフリーで安心して飲める飲み物として、再び脚光を集め、現在はイタリアのカフェメニューには必ずある定番メニューとなっています。また、スーパーでもコーヒー豆と同様に普通に購入することが出来ます。

大麦コーヒーは、食物繊維が豊富で便秘解消の効果が期待出来ます。さらに18種類のアミノ酸とビタミンB群を含み、美容にも効果的と言われています。現在、国内の飲料メーカーであるキリンが大麦を使った新しい飲料として「麦のカフェ CEBADA(セバダ)」を販売しており、これが美味しいと評判。

④どんぐりコーヒー

どんぐりコーヒー

ドイツ発祥で、日本でも飲まれていた代用コーヒーの一つ「どんぐりコーヒー」。どんぐりコーヒーとは文字通りどんぐりを原料に使って作ったコーヒー風飲料。どんぐりコーヒーはコーヒーを思わせるような香ばしい香りに、どんぐり特有のまったりとした独特の味わいがあるのが特徴。

どんぐりはとても栄養価の高い食べ物。稲作が始まる縄文時代にはどんぐりが主食となっていたほど。また、お米が主食となってからもどんぐりは非常食として重宝されていました。現在、日本では町おこしの一環として長野県でどんぐりを使ったコーヒーやお菓子を提供するお店があります。さらに韓国ではどんぐりを使った料理が今なお存在するほど、どんぐりは栄養価が高く普通に食べられる食べ物なのです。

⑤大豆コーヒー

大豆

大豆を使った代用コーヒーが「大豆コーヒー」。

大豆は、必須アミノ酸をバランスよく含み良質なたんぱく源。おまけにビタミンB群やミネラル、食物繊維も豊富。とても栄養価の高い食材なので、大豆コーヒーは健康的な飲み物と言われています。大豆コーヒーはとても香ばしい香りがして、優しい甘みがあるのが特徴。

コーヒーのカフェインが気になる時、代用コーヒーがオススメ

代用コーヒーを飲む人

コーヒーが飲みたい、でもカフェインは摂りたくないといった時、代用コーヒーがオススメ。カフェインフリーの代用コーヒーなら、妊婦さんや授乳中の方でも安心して飲むことが出来ます。また、眠れなくなるからカフェイン入りコーヒーは飲みたくない、朝からたくさんコーヒーを飲んだからカフェインの摂り過ぎが心配といった時でも、安心して飲めるのもうれしいところ。たんぽぽコーヒーやチコリコーヒー、大麦コーヒーとたくさんの種類の代用コーヒーがあるので、自分の好みの代用コーヒーを探してみましょう。

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